入試 勉強

受験では緊張してはいけない、と言われるが・・・

中学受験や高校受験、あるいは大学入試では、緊張しすぎると、試験中に頭が真っ白になって、勉強してきたことが出てこなくなったなんて話を聞いたりします。また、落ち着いてやればできる問題でも、緊張感から、ケアレスミスをしてしまうケースもあります。その意味では、試験中はリラックスすることが大切といえます。

もともと本番の入学試験というのは、かなりの緊張を強いられます。
ですからリラックスして行うように心がけたときに、「適度な緊張感」になり、最大限の集中力を発揮できるようになります。リラックスして、ようやく、ほどよい緊張感を保てるわけですね。

これは、そのまま受験生の勉強方法にも当てはまります。
ただし、ふだんの入試の勉強は、試験本番とまったく同じではありません。

高2とか高3の受験生は日々、入試の勉強に励んでいると思いますが、両極端であっては、効率的な勉強法にはなりません。両極端とは、以下のような状態です。

  • 緊張しすぎて、なかなか勉強に踏み出せない
  • 緊迫感が足りずに、集中力や記憶力を発揮できない

入試の勉強を能率的に進めるためには、緊張感がありすぎてもいけませんし、なさすぎてもいけません。「適度な緊迫感」のなかで勉強していくことによって、最大の集中力を発揮できますし、用語や歴史の年号、英単語なども覚えやすくなります。

入試の勉強は緊張しすぎはタブー

入試の勉強ということで、必要以上に緊張してしまい、思ったように学習がはかどらないことがあります。このような状態で、たとえ勉強を始めたとしても勉強効率が低下してしまいます。文章を読んでいても、その上に目を走らせるだけで、内容が頭に入ってこなかったり、何度繰り返しても記憶できなかったり・・・。

これはベータ波という脳波で、勉強しているためです。
ベータ波とは、いらいらしているときに出現する脳波。勉強がいやだなとか面白くないなと感じているときは、ベータ波になっています。このときは脳がうまく働かないし、なかなか記憶できません。

そこで昔は、バイオフィードバックとか、勉強する前に脳波をアルファ波にするような学習機器が販売されていましたが、とくにグッズを使う必要はありません。軽く目を閉じて、大きく深呼吸してみましょう。
それだけで緊張と交感神経優位に傾いた状態が、リラックスと副交感神経優位に変わっていきます。

そのほか、リラックスできるような落ち着いたクラシック音楽を聴いて、いったんアルファ波にしてから入試勉強を開始するのでもよいでしょう。ラベンダーなどのアロマテラピーの香りを嗅いでからというのも一興ですね。匂いは直接、大脳辺縁系の扁桃体に働きかけ、緊張感を和らげる働きがあります。

作業興奮という原理からすれば、どのような場合でも、とりあえず行動を起こすことが有効と言われています。しかし、それもケースバイケースです。その一歩がどうしても踏み出せないという人は、まずはリラックスすれば、勉強しやすくなるでしょう。また強いベータ波の状態にある人が、無理して勉強を開始したところで、しばらくは集中力や記憶力を発揮できないので、その時間の勉強効率が下がってしまいます。

そこで、まずは勉強前の緊張感を拭い去って、リラックスする。そうすることによって、勉強開始時から、高い集中力と思考力、記憶力でもって入試の勉強に入っていけるのです。

勉強の緊張感がなさすぎることも問題

勉強に対して、過度な緊張感を感じてしまうと、前述したようにベータ波が優勢となるため、脳が上手にはたらかなくなります。その対策として、まずはリラックスするように努め、α波にしてから学習をすることが大切であると述べました。

しかし、逆にリラックスしすぎもよくありません。
たとえば1日中、時間が有り余っている浪人生は要注意です。予備校に通っていれば、まだ緊張感を保てますが、独学で入試の勉強をしていると、いつのまにか緊迫感が薄れてしまい、集中力や記憶力が減退する結果になりがちです。

もちろん、一度失敗しているので、「今度こそは!」という意気込みで臨んでいることから、あまりそのようなことはないかとは思いますが、注意は必要です。

緊張しすぎることもいけませんが、逆に緊張感がなさすぎると、脳波がアルファ波からシータ波へと移行していきません。シータ波は海馬が最大限に活性化している状態で、記憶力と集中力が高いモードです。前項で説明した方法は、まずはリラックスすることによって、「階段を上っていくように」、アルファ波→シータ波へと持っていく対策です。

しかし緊張感がない入試勉強をしていると、アルファ波止まりとなってしまい、その結果、異常な眠気が出てくることに。そうなると居眠りばかりしたり、ついつい楽な遊びやゲーム、漫画などのほうに注意がそれてしまうのです。

適度な緊張感を保つには?

入試試験の勉強において、適度な緊張感を維持するには、イメージと実戦、そして時間制限が必要です。

イメージというのは、将来に対する想像力です。受験案内書などのパンフレットや志望校のホームページをよく見たり、実際に第一志望の大学などに足を運んでみたりすると、臨場感が伝わってきます。そうすると、最終目標と現在の努力が一直線でつながるのです。そこから勉強の緊迫感が生まれてきます。

高校1年生や2年生は、たとえば大学センター試験の当日に、先輩の受験生と同じように、志望校に行ってみてはどうでしょうか?まわりには受験生がいっぱいいます。自分も来年や再来年には、このように、ここに受験に来るんだなと、ひしひしと感じることができます。そこから、日々の勉強にたいして緊張感が生まれます。

これらの緊張感は、勉強の励みとなるような「良い緊張感」です。
そのほか、模試(模擬試験)を受けることも、よき経験となり、だいたいの試験の雰囲気をつかむことができます。模試をまったく経験していない人は、日々の入試勉強においても、緊張感を感じづらくなってしまいます。

時間制限を設けて学習することも、「良き緊張感」を生み出すうえで、とても有効な手です。
3時間だらだらと受験勉強するよりも、1時間を3セット行うほうが効果的です。まず、人間の集中力は60分程度しか持たないという理由があります。そのほかには、短く時間を区切ったほうが、「先が見える」ので緊張感が生み出されます。

人は、先のことが上手にイメージできないと、緊張感が生まれずに、どうしてもだれてしまいます。先ほど、一度は大学に足を運んでみたりすることを勧めたのも、先のことをイメージしやすくするためです。日々の勉強にあっても、1時間ずつ勉強することによって、終わりをイメージしやすくし、その結果、緊迫感をもって勉強に取り組めるようになります。

高校入試や大学入試の勉強では、緊張しすぎてもストレスになりますし、かといって緊張感がなさすぎても、だれてしまいます。その中間の、「適度な緊張感」を保ちつつ勉強してこそ、質の高い、内容の濃い受験勉強ができることを、頭の片隅にでも置いておきましょう。



■受験生の勉強方法の説明マニュアル
>> 勉強の説明書〜【合格保証付】2時間で正しい勉強法を身につける


■スイスイ英単語や歴史の年号を記憶できる秘訣とは?
>> 記憶術日本一の藤本憲幸氏が教える記憶術の極意! <<

後書き

中学や高校受験、国公立や私立の大学入試、専門学校、大学院などの勉強では、学習時間がよく問題になります。昨日は5時間も勉強したという人がいるかと思えば、いや俺は10時間勉強したと自慢する人もいたりします。しかし、それはまったくナンセンスです。なぜなら受験生の勉強方法においては、質こそが問題だからです。いかに「適度な緊張感」を保って学習したか?それこそが問われるべきです。
もちろん東大や京大、慶大、一橋、同志社、立命館、中央、立教、関西学院、法政などを目指すなら、それなりの勉強時間は必要です。しかし、質が高い状態を保ちつつ、勉強時間を増やしていかなければ意味がありません。そうでなければ自己満足の範疇にとどまってしまいます。
受験勉強では、いろいろな種類の科目があります。数学もあれば理科(物理、化学、生物)もある、社会科(地理、歴史、公民、倫理)もあれば国語(古典、漢文、現代文)や英語もある。そのそれぞれは、さらに細分化されていきます。そのなかには、得意科目や苦手科目もあるでしょう。得意科目の入試の勉強をしているときは、リラックスできるけれど、苦手教科をやるときは緊張するという人もいることでしょう。その場合は、無理は禁物です。無理してはじめたとしても、ベータ波が主体となるため、効率よく記憶や理解ができなくなります。その対策としては、ひたすら得意科目の力を伸ばす戦略を取るのがベターです。いわゆる特恵効果をねらうわけですね。その上で、できるだけ苦手教科に接していく努力も、もちろん必要です。ただし段階を経て、徐々に慣れていくべきです。
大学センター試験や大学院入試の勉強の仕方は、もちろん、そのほかのシチュエーションにも当てはまります。弁護士や行政書士、司法書士、医師、看護師、一級建築士、不動産鑑定士など難関資格試験はたくさんあります。学生の場合は、まだ学校や予備校、進学塾があるので、まだ緊張感を保ちやすいといえます。しかし、社会人のかたで資格取得を目指す場合、緊迫感が薄れるケースがあるので、タイムプレッシャーをかけて緊張感を生み出す工夫をしていくとよいでしょう。